第11章 目覚めのあと、名付けられないもの ※微
爆「おま…目…覚めたんか…」
「うん……。そういえばヴィランは!?みんなは!?消太さんは無事!?」
爆「ハッ…起きて早々他人のことかよ…みんな大丈夫だわ。心配したこっちの身にもなれや……」
「うっ…ごめん……なんかね、勝己が起きろって言ってくれた気がして目が覚めたの。ありがとう」
爆「ンだよそれ……」
爆豪は一気に距離を詰め、考えるより先にを抱きしめた。
「ちょっ…勝己…」
爆「良かった」
掠れるような声。
いつもの爆豪からは想像もできないほど、弱くて優しい声。
「…心配してくれて、ありがとうね」
も爆豪を抱きしめ返す。
しばらくして離れると、爆豪は急に表情を引き締めた。
爆「……で。なんで、ああなった。説明しろ」
「……そうだよね。明日…ちゃんと、みんなにも話すから」
その時――
ガラガラ
相「!!……目、覚めたのか!」
爆豪がいることに一瞬だけ眉を動かすが、今はそれどころではない。
相「良かった…。体は?」
「大丈夫です。消太さんは大丈夫ですか?」
相「あぁおかげさま…で…」
一瞬、全員の脳裏に“あの時のキス”がよぎり、微妙な空気が流れる。
「よかったです…」
相「先生を呼んでくる。爆豪も、なぜまた居るのかはわからんが早く帰るんだぞ」
爆「…おう」
相澤が病室を去ってすぐ。
「っん…!?」
爆豪は一歩近づき、迷いなくの唇にキスを落とした。
「っな!にしてるの!!」
爆「…消毒」
「っ……」
あまりにも平然と、あまりにも自然に言われて、言葉を失う。
「…早く家に帰るんだよ」
爆「わーったよ、また明日な。センセ」
爆豪が病室を出てすぐ、相澤と医師が戻ってきた。
診察の結果、異常はなく、怪我も軽い。
にはその日のうちに帰宅許可が出た。