第1章 Z=16 医者×魔導士=多忙な日々
「船?船作るなら、そんなに日数は……」
ターコイズのツッコミにルーチェはどこから話せばいいのやら、と前置きしたあと、ゲンから聞いたことを説明しだした。
「つまり、石化光線?の謎を探すためにここから旅立つと。その為に船を作るからもう暫くは帰ってこない、そういうことだね?」
「はい、そうです。科学王国の面々は千空に協力しちゃってて。」
ルーチェが淡々と説明すると、みんなは、まぁ仕方ないか、と納得したようだった。
「で、ルーチェは、なにしにきたんだい?」
「近況報告と、村のみんなの健康チェックを。」
「うむ、そういうことか。一応、今のところ体調を崩したとかそういう話は聞かないな。」
ジャスパーの答えに、ルーチェはほっと胸を撫で下ろすも不安に思う。
ルーチェは、「これから、午前中だけでも、様子を見に来きます」と伝えた。
「わかったよ。ただし、あんたも無理をしないでよ?」
「もちろん。」
そういうとさっそく一礼して立ち去ろうとした時、ジャスパーに呼び止められる。
「なにも1件1件回らなくていいとは思うが。ここに人を集めればいい。」
「…よいのですか?」
うむ、とにこりと頷く2人だった。
ルーチェは言葉に甘えることにして、中央に診療の準備をはじめた。
その間にターコイズたちが村人に声をかけると、なぜか子供たちがルーチェの元へとあつまった。
ルーチェは一人一人丁寧に診察していった。
数ヶ月留守にしていた割にはみんな元気そうでルーチェは安心していた。
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