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幻想科学物語 Ⅱ

第1章 Z=16 医者×魔導士=多忙な日々






翌朝…


ルーチェはある程度の薬剤や包帯などをもって石神村へとやってきた。


村のみんなは突然ルーチェが来たので驚いた。
が、彼女が魔導士であることを思い出したのか、すぐに歓迎ムードとなった。


ルーチェは到着早々、ジャスパーとターコイズの元に挨拶に行った。


「お久しぶりです、ジャスパーさん、ターコイズさん。」


「ルーチェじゃないか。久しぶりだね。なんか痩せたんじゃないのか?」


「ターコイズさん、その色々ありまして。皆さん、お元気でしたか?」


「あぁ、村のみんなは大丈夫だよ。それよか、あんたらの方はどうなんだね?ケータイとやらを作ったはいいけど、一切連絡ないからヒヤヒヤしてたよ。」


ターコイズの真剣な眼差しにルーチェはうっと、なる。
思えば村を旅立って暫くたつ。何の連絡もなかったら心配のひとつもしたのだろう。


「大丈夫です。我々科学王国が勝利を収め、司帝国とは停戦を結ぶことができました。おそらく、これで村への脅威はないでしょう。」


ルーチェがそう告げると2人ともほっと胸をなで下ろす。
近くにいた人たちも、勝利の知らせにわぁと歓声をあげた。


「そうか。それでいつ帰ってくるんだい?」


ジャスパーがそう訪ねると、ルーチェは睫毛を伏せる。
その様子に2人は怪訝そうな顔をした。


ルーチェはくちびるを震わせながら、そっと口を開いた。


「えっと、その…帆船を作るとこになりまして…もう暫くは帰ってこないのでは、とおもいます。」


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