• テキストサイズ

幻想科学物語 Ⅱ

第3章 Z=18 食料確保へのロードマップ






「きたーー!しれっと!」


クロムが叫ぶ中、フランソワは気にせず、当たりをみまわす。
その後ろには、倒れそう、いやもう地面と仲良くなっているあさぎりゲンがいた。


ゲン!とルーチェが叫び、慌てたように駆け込む。
脈をなんなくり、目の周辺や白目の状態を確認する。


(特に異常はない。けど、栄養失調ね。)


「ゲン、もしかして、なにもたべてないの?」


「う、うん。2日間歩きっぱなしでさぁ。さすがに少しは寝かせて貰えたけど、バイヤー。」


そういうとゲンの意識は途切れた。
ルーチェはゆっくりとゲンを横抱き、というかほぼお姫様だっこ、をすると診療所と運び込む。


そして、静かに横たわらせて、布団らしきものをそっと上から掛け、水を入れた竹筒をそばにおき、すぐに診療所から出てきた。


診療所から出てこれば、なにやらフランソワと龍水が話し込んでいた。


「素晴らしい。このパンをお作りになったのは、龍水様ですか?」


「いいや、そこにいるルーチェが作った。彼女は北欧の出身でパン作りの基礎はできている。が、栄養面を考えた保存食となると難しいとなってな。」


龍水はルーチェの方をちらっと見ながら現状をフランソワに説明すると、ルーチェの作ったパンとルーチェを交互に見て、状況は分かりました、告げた。


「では、今回のメニューの目的とゲストの意見を合わせますと、長期保存が効くパン、ですね。かしこまりました。では今回ご用意するのは、ヤギの恵みのシュトーレンです。」


.
/ 45ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp