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幻想科学物語 Ⅱ

第3章 Z=18 食料確保へのロードマップ






「多くの船乗りが壊血病によって命を落としてる。どれくらいの航海になるかはわからないけど、賞味期限はせいぜい1-2ヶ月ぐらい。」


「ふぅむ、これだけだと、たしかに栄養は偏るな。ルーチェ、このパンを応用したものを作ったことは?」


ルーチェは無言で首を横に振る。
龍水は、ならば、と視点を切りかえた。


「やはり、すぐにプロのシェフを起こす必要があるな。」


「あん?ルーチェのパンでも十分うめぇじゃねぇか。それに、日持ちすんだろ?なら…」


「あー、たしかにその方がいいかもなぁ。ルーチェは既にオーバーワークだ。それなら、プロのシェフにお任せした方が話は100億倍はぇ。」


龍水の意見にクロムが突っ込むと、千空が耳の穴をほじりながら現状を分析した。


すると周りは少し納得し、各々了承した。


「復活液作成まで数ヶ月、それまでは石油探しと農耕を進めようじゃねぇか。」


「千空、それなんだがなぁ、復活液を隠し持ってる悪いやつに心当たりはある。」


ぐふふ、と千空以上に悪い顔を浮かべ、ゲスい声で言うもみんなはピンと来てないらしく、頭を傾げる。


「まぁみてろ。千空、クロム、天文台にいくぞ。」


龍水は千空とクロムをつれて天文台へと登っていった。


「はぁ、またいっちゃった。今度は何をする気なのやら。」


「そうだね。むちゃくちゃな取引をしなければいいんだけど。」


残された羽京とルーチェは、視線をちらっと合わせると、天文台の方を見守っていた。

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