第3章 Z=18 食料確保へのロードマップ
ルーチェがパン作りに着手して数時間後---------
テーブルの上にはルーチェが焼き上げたクッキーのような硬さのパンが大量に並んだ。
「できた。クネッケブロート。保存食としてはいいと思う。」
「「「「「わぁああぁあぁあ、おいしそう!」」」」」
テーブルの上に並べられたパンに一同感動してお目目を開いた。
味に自信はないけど、と付け加えるとみんなしてクネッケブロートと呼ばれたパンを1口かじる。
「「「「「うめぇええええぇえ」」」」」
石神村のみんなはいわずもがな、21世紀組も感動した様子で涙を流した。
「ルーチェ、てめぇやるじゃねぇか。百億満点くれてやる。」
「はっはー!ルーチェ、貴様のことが益々欲しくなってきた!」
「あはは、久しぶりに現代食を食べると、なんだか涙が出てくるね。」
3人ともそれぞれの感想を述べて顔をとろけさせている。
ルーチェも懐かしい味にピンクの瞳を濡らした。
が、すぐになにかに気づいたように自分の作ったパンをもって見つめた。
「龍水さん、このパンだけだとひとつ心配なことが...」
「龍水、でいい。楽に接してくれ。異常な点は見られるぬがどうした?…味の方はもう少し改良してはいいと思うが。」
ルーチェが龍水に声をかければみんなも顔を上げてルーチェのことを見あげ、龍水に同調しはじめた。
「このパンだけだと、栄養面で問題が…」
「栄養??あ、ああ、壊血病の心配か。」
龍水が指摘するとルーチェは頷いて言葉を続けた。
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