第2章 Z=17 航路の方程式の解き方は?
「よ、ルーチェは今日もいい飲みっぷりだなぁ。」
「ありがとうございます。」
ルーチェは注がれるままに、酒を飲んでいた。
その様子を見兼ねて心配性が1人、口を挟む。
「ルーチェ、君は医者、だろ?もし急患とかあったら…」
「大丈夫。ワイン1本までは平気。」
そう言って、また一杯、ぐい、っと飲みほす。
飲んではつがれ、飲んではつがれ、を繰り返すルーチェのことを羽京は心配そうに見守っていた。
「羽京さんは、飲まないの?」
「僕のことは羽京でいいよ、ルーチェ。其れよりも、お酒の飲みすぎはよくないよ。程々にね。」
「ん。」
羽京が呆れ笑いをうかべ低い声でいうと、ルーチェもこくりと頷く。
お酒をついでくれた人にお礼を伝え、羽京から水を受け取り、一口口に含んだ。
「…キャパぐらいわかってる。」
「いつもは飲めたとしても、今日はダメだよ。苦しそうな顔をしている。」
抗議するかのように睨めば、相も変わらず目が笑ってない笑顔を返された。
「……ゲンみたいだね。」
「あはは、メンタル面はわからないけどね。悪酔いする前にお水飲んで。」
「ありがとう。」
2人は暫く談笑を交わしてた。といっても、羽京が質問をしてルーチェがそれに対して短く答える、そんな感じの会話だった。
「そういえば、ルーチェっていくつなの?」
「今25歳。」
ルーチェが短く告げると、羽京は驚いたように口を開け、ルーチェの顔をまじまじとみつめた。
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