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幻想科学物語 Ⅱ

第2章 Z=17 航路の方程式の解き方は?







ご老体たちがせっせかせっせかと料理を運んできた。


「はっはー、感謝するぞ、美女たちに。」


「あらやだ♡美女だなんて。」


龍水はお肉やワインといったご馳走が食べれるものかと、浮き足立っていた。
が、その期待はすぐに打ち砕かれた。


「はい、たーんと召し上がれ。石神村の贅沢魚づくしよぉ。」


龍水の前、いや、宴席に並べられた料理は、ほぼ魚がメインのヘルシーな料理だった。


クロムやコハクはヨダレを垂らして大喜びだったが、龍水は1人固まった。


「おや、どうしたのかい?お腹すいてなかったのか?」


「あ、あぁ、いや、い、いただきます。」


龍水は渋々と言った感じで木のフォークを魚のスープに付け、食事を始める。


その横では千空がジャスパーとターコイズと近況について情報交換をしていた。


龍水は魚の骨を握りしめ、プルプル震えながら、千空、と呼びかけた。


「俺たちはいつまでこの村で過ごす?」


「あ?あー、さぁなぁ。石油見つかるまで、1年か、2年か…」


龍水の中で我慢の限界が来てしまい、魚を握りつぶす。
そして、大真面目な表情で叫んだ。


「はっはー、見つけるぞ。食料も石油もだ!絶対に、絶対だ!」


「最近気づいたんだけど、こういう世界だと欲張りって悪くないね。」


「あぁ、実におありがてぇ。バリバリ頼むぜ、パイロット」


羽京が苦笑いしながら呟くと、千空はゲス顔で龍水に語り掛ける。
その様子をルーチェはただ酒を飲みながら黙って見守った。


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