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幻想科学物語 Ⅱ

第2章 Z=17 航路の方程式の解き方は?






「うし、今日の科学実験はここまでだ。わかったかちびっ子たち。」


千空による青空科学教室は短くも簡単な実験をし終えたところで終了した。


男の子たちはクロムみたいに目を輝かせて聞いていたが、女子たちはというと…


「ルーチェせんせー、こわいよぉ。」


「この前の童話の続きを聞かせてー」


どの時代も女子にとっては科学が怖いものに見えたのか、物語に惹きつけられるのか、ルーチェのそばにいた。


「科学は、世界の謎を解き明かすもの。使い方さえ間違えなければ、怖くない。」


怖い、と泣いた少女の涙をぬぐってやり、優しい目つきで見つめた。
少女はすん、と機嫌をなおし、千空の方を見た。


「…ちょっとだけ、怖くない、かも…」


「うん、千空やクロムは異常だけど…知っておいて損はないこともあるのよ。」


ルーチェの言葉に少女たちは、はーいルーチェせんせー、と返事をする。


初々しい反応にほんの少し口元を緩めたルーチェは、太陽の高さを確認するように空をみてみんなに声をかけた。


「さ、またにがーい薬を飲みたくなかったらおうちに帰って水分を補給してきなさい。」


ルーチェの呼びかけにみんなははーい、と元気よく返事して村の方へと走っていった。


子供たちと入れ替わるようにコハクと羽京、龍水が帰ってきた。


「千空、案内と長老たちへの紹介が終わったぞ。」


「こっちもひと段落したわ。そろそろバーナーも冷えた頃だし、気球片すぞ。」


千空の声掛けにみんなははーい、と答え、龍水以外はせかせかと片付け始めた。

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