第2章 Z=17 航路の方程式の解き方は?
フワァァァ。
ゴトンッ。
石神村にルーチェと気球が無事着陸した。
4人全員が降り立ったことを確認すると、すぐにコハクと羽京が駆け寄ってきた。
「クロム、龍水、千空、ルーチェ!みんな無事でよかった!」
「あはは、ほんとにね。」
コハクが千空に抱きついたことを合図に、石神村のみんなが次々とかけよる。
無事を祝うもの、安堵の涙を流すもの、それぞれだった。
特に子供たちからは千空とルーチェが来たことは嬉しかったようで2人の足元で遊んでとせがむ。
「だぁ、もう、わかったわかった。実験道具もってくっからちとまってろ。」
「その間にお話、するね。」
2人がそう言うと子供たちは嬉しそうに喜んだ。
その様子をクロムとコハク、龍水は微笑ましく見ていた。
「ふぅん、2人とも村人にとっては大事な仲間、というわけか。」
「ああ、そうだ。そして、龍水、君もだ。石神村へようこそ。村を案内してから、これまでのことを話そう。」
「って、ちょ、気球はどーすんだよ。」
「あぁー、今はバルーン部畳むことしかできねぇ。そのままにしとけ。バーナー部の熱が冷めてから片付ける。クロムてめぇもこっち手伝え。」
千空がラボから簡単な実験キットをもって戻ってきて説明すると、クロムも納得し、千空の手伝いを始める。
(……久しぶりね。)
千空とクロムのやりとりや、龍水を案内するコハクと羽京の姿、そして子供たちの様子を、ルーチェはこっそりと欠伸をしながら見守るのだった。
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