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幻想科学物語 Ⅱ

第2章 Z=17 航路の方程式の解き方は?






突風を利用し、積乱雲から抜けた先--


4人の目の前には、朝焼けのきれいな空、ところどころ雲が浮かんだ、桃源郷のような景色の中に見覚えのある光景が広がっていた。


4人はその景色に目を奪われており、静かだったが、1人、その静寂を破る者がいた。


「はぁ、はぁ、ついたぜ、ゴールに…おう、随分余裕だったな。」


「ふぅん、やるな、貴様らこそ。俺ら冒険のプロとルーチェが力を合わせれば石油探しなんぞ造作もないぜ。」


クロムの悲壮感溢れる声にこれまた疲れを滲み出している龍水が声をかけ、2人はハイタッチを交わす。


そんな2人とはちがい、ルーチェと千空は、へんなりとしていた。
特に千空の方はというと……


「サンキュールーチェ。てめぇいなかったら、おれ死んでたわ。」


「………ヒヤッとさせないでよもう。」


あの突風の最中、千空は蒸気の影響で気球から吹き飛ばされ掛けていた。
それをルーチェが咄嗟の判断で手を掴み、箒にのせた。


つまり、一緒に箒にのって飛んでいる状況だ。


「このまま、箒に乗ってく?」


「あぁ、頼むわ。龍水とクロムがいりゃなんとかなんだろ。それに魔導士サマもおつかれのご様子だしな?」


「……そう思うなら降りてくれた方がありがたいんだけど。」


そんなやり取りを交わすも2人ともどこか楽しそうだった。
気球と魔導士、その背中を朝日が明るく照らしていた。


龍水が大声で2人の名前を呼ぶと、もうすぐ着陸すると伝える。
千空は、着陸しろ、と指示をだし、ルーチェはゆっくりとコードをさげた。

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