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幻想科学物語 Ⅱ

第2章 Z=17 航路の方程式の解き方は?





「ふうん、ここまで急変するとは、な。西向き飛行は空との戦いという訳か。」


龍水と千空も気づいたのか、前方をしっかりと見る。
巨大な雲、積乱雲が4人の前に現れた。


「でかい…こんなの、気球がもたない!」


ルーチェは加速して、気球の横についた。


「千空、龍水、どうする?引き返す?」


「あ゛あ゛、ルーチェか。確かに、この雲突っ込むのはちぃと危険だな。この風、なんとかできっか?」


「わかった。」


千空の言葉にルーチェは、頷きスティックを展開。


何か呪文を唱えようとしたとき、龍水が、まて、と大声でルーチェを止めた。


「なぜ?今のままだと……」


「いや、下手に風向きを変えるより、今すぐに着陸体制に入るべきだ。
クロム、紐を引け。」


「おうよ!」


クロムが龍水の指示通り紐を引こうとすると、今度は千空がまったをかけた。


「ばか!もう開いてる!ひっぱって布が広がったらそれこそ、墜落、だ。」


「なん、で…」


「原因はバードストライクだ。」


「どうりで上昇しない、というわけか。」


3人は途方に暮れた。もちろんルーチェも打開策はない。


気球とルーチェは段々と強くなる突風に揺らされる。
ルーチェは箒に、気球に乗ってる3人は搭乗部へとしがみついた。


揺さぶられながらも打開策を考えているうちに気球はどんどん積乱雲の中に引き込まれる。


「……!!」


積乱雲の荒れ狂う風に、ルーチェは耐えられず、気球よりもはるか後方へと吹き飛ばされた。


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