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幻想科学物語 Ⅱ

第2章 Z=17 航路の方程式の解き方は?





「必死に歩いても2日はかかるぞ!」


「あぁ、気球なら2時間ってところだな。」


「あんなに、みんなで苦労しまくって往復したのによぉ。やべぇな、空の旅。」


クロムが空を見ながら、嬉しそうに気球からの景色を眺める。
千空たちは得意げにクロムに解説をし始めている。


しばらくするとクロムと龍水が張り合う声が聞こえてくる。


(もう…クロムと龍水の負けず嫌いはピカイチね。)


ルーチェは2人の声に紛れて、ふと母と初めて飛んだ日のことを思い出した。


とてもロマンチックとは言えない思い出なのだが---


下宿先で勉強漬けだったある日のことだった。
突然シーラが窓をノックした。慌てて外に出ると、いきなり手を掴んで空を飛び上がった。


「ほら、勉強ばかりしていると体に毒ですよ。ルゥルゥ。」


「え、ちょ、まっ--きゃーーー!!!」


突然の浮遊感にルーチェはつい叫んでしまう。
シーラは、静かに、と唇に指を当てるとルーチェはコクっと頷き黙る。


そのままヨーロッパの寒空を親子仲良く散歩した、というものだった。


(あの時は、怖くて景色楽しめなかったっけ。まぁでも、同じこと何回も繰り返されたから、結局は慣れたんだけど…)


あのときより、少し強くなれただろうか---


感傷に浸っていると、突然冷たい風がルーチェの頬を撫で、現実へと引き戻された。


(何、今の風。なんか嫌な予感がする。これは--)


ルーチェの勘はよく当たり、気球とルーチェは川の方へと少しずつ流されていることに気づいた。

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