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幻想科学物語 Ⅱ

第1章 Z=16 医者×魔導士=多忙な日々






「龍水と話をしていたんだが、船を動かすための燃料が必要だ。」


「燃料?」


ルーチェが聞き返すと、龍水がコホン、と咳払いをした。


「石炭や油では到底世界の裏側まで行くことは出来ない。そこで、だ。俺たちは石油を掘り当てる!」


「せ、石油?」


ルーチェは瞬きを数回した後、本日2度目のため息をつき、千空の方を見るも、そこにいるのは、龍水と同じく悪い顔を浮かべた千空がいた。


「……ついに頭壊れた?日本で石油取れたなんて聞いたことないけど…」


「あ゛ぁ゛、相良油田っつてな。採算の問題で採掘を辞めたが、未だに湧いてんだ。世界最高レベルの質いい石油がなぁ。」


そう言いながら千空は持ってた地図をルーチェにわたし、広げるようにという。
地図はごくごく簡易的なものではあるが、中心になにやら印がついている。


千空はそこを指さしながら、説明をつづけた。


「湧いてるとしたらこの地点だ。それで、クロム、羽京、コハクの3人に探しに行ってもらったんだが、どうやら俺たちは地球の動きを甘くみすぎてたようだ。」


「どういうこと?」


「あー、簡単に言うと、地形が変わってやがる。俺ら現代日本人の地図なんかクソの役にもたちやしねぇ。そこでだ、気球をつくる!」


「……は?」


あまりにも突拍子もない発言にルーチェは口を開けたままその場に硬直する。


(いや、うん、もうさすがに慣れたよ?けどね?気球って…)


すーはー、と深呼吸を行い、なんとか平常心にもどり、千空の方を見る。


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