第5章 それは瞬く星のように
敵掃討作戦の開始から丸24時間が経過した。
まだたった24時間……
それだけしか経っていないのに、数体の脳無と逃げた死柄木達はタルタロスの他、7つの刑務所を襲撃し、収容者を次々と脱獄させた上、オール・フォー・ワンと共に行方をくらませた。
エンデヴァーをはじめ、多くのヒーローが負傷し、治療を受ける中、動けるヒーローやヒーロー科の学生達によって今も懸命な救助活動が続けられている。
しかし、避難の間に合わなかった市街地の被災者が多く、加えて脱獄者による犯罪も広がっており、対応の手が全く足りていなかった。
その上、今回全国に流された荼毘の演説や甚大な被害が出たことで、ヒーローへの批難・糾弾が相次いでいる。
公安ではそれらの対応と急ピッチで情報収集、報告書を作成している最中だ。
白失も昨日からずっと寝ていない。
群訝山荘から蛇腔市街までの被害範囲と救助に入っているヒーローの情報はおおよそ分かってきたが、死傷者の数は増え続けている。
既に蛇腔市周辺で機能している病院はパンク状態だ。
医療設備のある施設やまだ余力のある遠方の病院への搬送ルートの確保、被災していない地域からの医師、看護師の派遣手配……