第6章 ・闇魂
死皇帝に変異した彼の力は、やはり相当なもので、煩悩鳳を繰り出すスピードも速くなっていた。
それに加えて、衝撃魔法と飛ぶ斬撃の相性が良いのか、衝撃魔法のエンチャントが掛かっている刀の威力も増している。
隙あらば空高くジャンプして天使に斬り掛かり、時に魔法攻撃を仕掛けたりと、様々な方法で攻撃し続けた。
「死皇帝の魂を受け継いだロロノア・ゾロ、か……しかし、嘗ての死皇帝を遥かに凌ぐ力を、まだまだあの体に秘めておる……うむ、此奴は頗る強者になるぞい……これは、先が楽しみじゃのう」
ベリアルはそんな独り言を呟きつつ、楽しそうに戦うゾロの姿を、終始、目を細めつつ見守り続けた。
そんな彼の脳裏に、ふと、嘗ての死皇帝の姿が蘇る。
刀を振るうゾロの姿に、黒く長い髪を靡かせ、黒い甲冑を身に纏った男の姿が重なって行く。
ベリアルは、また独り呟いた。
「……ゾロ、嘗ての死皇帝よりも勇ましく、豪胆な漢であれ。お前なら、立派な闇の王に、必ずや、なれるであろう……」
死皇帝に変異し講義を受けたゾロの飲み込みは驚く程早く、ベリアルの講義は丸一日で終了した。