第6章 ・闇魂
それを見たゾロは目を大きく見開き、ニヤリと笑って、呟いた。
「……これは凄えな……これで誰かを……ぶった斬りてえぜ……」
「そう言うと思っとったぞ。この暴れん坊めが……ほれ、これならどうじゃ?」
ベリアルはそう言うと、六体の天使を召喚した。
パワーが三体、プリンシパリティ三体、ヴァーチャーが二体の計八体。
天使の中では中位に位置する者達である。
「此奴等は、本格的な軍事用戦闘訓練兵として、最近開発されたクローンじゃ。バーチャルルームのAIロボも優秀じゃが、お前さんが殆ど壊してしまったそうじゃからのう……こいつ等を特別に軍本部から連れて来たのじゃ。それぞれの天使共と同じ力や魔法が使える様になっとる。AIロボとは違って倒しても壊れはせんから、遠慮なく戦うが良い」
ベリアルが呼び出した天使達を見るなり、ゾロの瞳孔が更に開いた。
口端が更に上がり、不気味な笑みを見せる。
「……倒しても死なねえのか……まあ、血は見られそうだな……遠慮なくぶった斬らせて貰うぜ……」
ゾロはそう呟くと、天使達の群れに勢い良く突っ込んで行った。
それを見たベリアルは苦笑いを浮かべつつ、少し大きな声でゾロに助言をする。
「ゾロ、エンチャントは時間制限はないが、違う魔法をエンチャントしたい時は、解除せねばならんからのう!その時は刀にエンチャント解除の念を送って、魔法を掛け直すんじゃぞ!!」
ゾロは振り向きベリアルの顔を見ると、目を大きく見開きニヤリと笑い、天使達に斬り掛かって行った。
「……全く、まだ説明が終わっとらんと言うのに……後で、三刀流同時のエンチャントやら、念動力を使った刀の攻撃方法も伝授せねばのう。しかし……嘗ての死皇帝よりも更に好戦的なのは、やはりロロノア・ゾロならでは、と言う事か……やれやれ……」
そんな独り言をブツブツと呟きつつ、ベリアルはその場に腰を下ろし、ゾロの戦闘方法に注目する。
羽を持つ天使達は、空中から攻撃を仕掛ける事が出来る。
それに対し、ゾロの戦闘フィールドは地上のみ。
ハイジャンプをして攻撃は出来るが、明らかに地の利はゾロの方が不利である。
だが彼は、そんな事はお構いなし、とばかりに、空中から攻撃して来る天使達を百八煩悩鳳や三百六十煩悩鳳等で迎撃して行った。
地対空ミサイルさながらである。