第6章 ・闇魂
「……ここからは、ベリアル卿がお前に様々な魔力の使用方法や魔法の種類、その他諸々について、更に詳しく教授する事になっている。判らない事があったら、どんどん聞いてみるといいぞ」
と、ゾロとオセがそんな会話を交わしているところへ、話題のベリアルが姿を現した。
彼は、ゾロを一目見ただけで彼の魔力が強くなっている事に気付き、心底関心するばかりであった。
「ほう、お前さん……この数日で、かなり魔力が強化された様じゃのう。これは予想以上じゃ……これなら、少し強い魔法でも使いこなせそうじゃな」
「まあな、オセが一生懸命教えてくれたお陰だよ」
ゾロは笑みを浮かべつつ、オセの顔を見た。
彼は少し得意気な表情で、ゾロと視線を合わせる。
「オセの教え方とお前さんの努力が上手く融合した結果じゃな。
ベリアルはそう言って、彼等を褒め称えつつ、ゾロに訊ねる。
「……ところで、お前さん、閣下から聞いたんじゃが、真の姿……死皇帝に変異出来る様になったそうじゃな」
「ああ、覇気を魔力に変換する時……最初は拒否反応が凄かったんだけどな。何度か変異を繰り返しているうちに、拒否反応が軽くなったんだ」
「うむ、拒否反応か……ニンゲンの細胞が、お前さんの真の力を邪魔しておったと言う事か」
「どうやら、そうみたいだ。オセの話じゃ分析結果もそろそろ出るみたいだから、詳しい事は結果待ちってところだけどな」
「なるほど……ニンゲンの細胞が、どうなってるかも気になるところじゃからな。分析結果を楽しみに待つとしようかの」
ベリアルが喜び、槍の石突を勢い良く砂地に突き刺したその時。
「……では、おれはこれで……ゾロ、ベリアル卿の講義も、引き続き頑張って受けるのだぞ」
オセは別れ際に、ゾロに激励の言葉を贈った。
ゾロは、彼の顔を見ると一度頷き、笑顔を見せる。
「ああ、勿論だ……色々と本当にありがとうな。機会があったら、また手合わせ頼むぜ」
「はっはっは……おれで良ければ、何時でも相手になるぞ……では、また会おう。ベリアル卿、後は宜しくお願い致します」
「おう、任せておけい!」
こうして、ベリアルの講義が始まった。
ゾロが魔界に姿を現してから、四日目の事である。