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魔王之死刀

第6章 ・闇魂


「マグネタイトは、人間や他の生物、宇宙空間等が生み出す感情や思念から生まれるもので、おれ達魔神族や下級霊の奴等に取って必要なエネルギーの一つだ。プラスエネルギー……陽、光のマグネタイトは緑、マイナスエネルギー……陰、闇のマグネタイトは赤。赤いマグネタイトは『マガツヒ』とも言われていて、怒りや悲しみ等の負の感情の塊でもあるエネルギーだ」

「その通りだ。流石は死皇帝……教えた事を全て覚えるとは、やはり記憶力も相当なものだな」

 オセの褒め言葉が擽ったく感じたのか、ゾロは思わず苦笑いを浮かべる。

「いや……お前がしっかり教えてくれたからだろ。そんな褒めても、給料貰う前だからなあ……酒位しか奢れねえぞ」

「はっはっは……酒でも奢って貰えるなら嬉しいぞ。さて、ゾロよ……精神力もそうだが、加えて集中力、忍耐力も更に鍛えねばならん。戦闘だけでなく、魔法を使用するには強化は必須だからな。その後は、死皇帝に変異する際に掛かる時間と、拒否反応を軽減する為の訓練を行う。時間の許す限り、強化、改善して行くぞ……良いな」
 
「おう」
 
 こうして、ゾロの精神力や集中力を強化する修業が始まった。
 ゾロは砂地の上に胡座を搔くと、早速瞑想に入った。
 瞑想は、集中力を高める効果があるとされるものである。
 その瞑想中に、オセはゾロの周りに酒を置いたり大きな音を立てたり騒いだりして、彼の邪魔をし続けた。
 しかしゾロは、長年修業に瞑想も取り入れて来た男である。
 その為か、オセの邪魔等気にも止めず、約一時間、瞑想を続けた。
 ゾロが瞑想から覚めると、オセは満足そうに頷き、ゾロに昔話を始めた。
 
「……その昔……シヴァと言う破壊神が瞑想をしている際に、魔王であられるマーラ様が、悪戯で色々な邪魔をされた事があってな。それでもシヴァ殿は、全く動じなかったそうだ。そのシヴァ殿の様に、お前も全く反応しなかったな……流石だ、長年心身を鍛えて続けている賜物だな」

「まあな、瞑想も長い事やってるから、あの程度じゃ反応しねえよ……しかし、そのマーラって奴もシヴァって奴も、どっちも凄え奴等なんだろ?」
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