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魔王之死刀

第6章 ・闇魂


「いやだってよ……そんな泣くなよ。おれぁ、こうやってしっかり生きてて元気なんだからよ。喜んでくれた方が、おれは嬉しいんだけどな」

「そ、そうか……そうだな……いや、これは、おれとした事が、飛んだ失態を見せてしまった……すまん」

「へっへっへ……さあ、飲もうぜ。修業はそれから、なんだろ?」

 満面の笑みを浮かべるゾロを見たオセは、涙を拭きつつ笑い返した。
 そんな彼を見ながら、ふと、ゾロは思った。

(おれは……もしかしたら、ずっとずっと昔に、こいつ等に会ってたのかも知れねえ……)

 ゾロはぐい呑みに注がれた酒を見詰めながら、ふと心の中でそう呟くと、一日中明るいダアトの空を見ながら一気に酒を煽った。
 二十一年前に出来たばかりの魔界。
 そして、ここに来たばかりの二十一歳のゾロ。
 しかし彼は何故か、心の何処かで懐かしさを感じていた。
 太古の昔からあるもう一つの魔界も、恐らくこの様な美しい場所なのだろう。
 ゾロは、目の前に広がる美しくも恐ろしい程に透き通る湖に視線を移すと、思わずポツリと独り言を呟いた。

「……おれは……帰って来たんだな……お前等の所に……」

 それを聞いたオセは、それから暫くの間、またしても溢れ出る涙を止める事が出来なかった。
 その後、ゾロとオセは二時間程仮眠を取ると、魔力と覇気の力を強化する講義に入った。

「……では復習だ……ゾロよ、魔力とは何か……答えてみよ」

「魔力は、おれ達魔神に取っての生体エネルギーであり、魔法や魔術、戦闘に欠かせないエネルギーだ」

「その通りだ。では、精神力とは何か。魔力との関係を答えてみよ」

「精神力とは、意思の強さ……物事に対する持続する力や忍耐力、集中力等がその構成要素となっている。魔力や魔術をコントロールする為に必要不可欠なものの一つだ。持っている魔力がデカければでデカい程、それをコントロールする精神力も強くなけりゃ行けねえ。それと、敵の魔法攻撃を防御する時……特に状態異常攻撃の防御力は、精神力の強さに比例する。基本的に、精神力が強ければ強い程、魔法防御力は上がる。だから、より強力な精神力が必要になる……で、合ってるか?」

「ご名答だ。流石は、戦う為に生まれて来た男……だな。ではもう一つ……『マグネタイト』とは何か。答えてみよ」
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