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魔王之死刀

第1章 ・帰還 


 彼の頭の中に、CP……『サイファー・ポール』と言う、世界政府の組織の名が真っ先に思い浮かぶ。
 しかし同時に、それを否定する彼自身が心の中にいた。
 今迄会った事のある人物の記憶をざっと辿るが、やはり見覚えがない。
 だがやはり、何処かで会っている様な気がしてならなかった。

(いや、確かにこいつの名前……おれは、何処かで……思い出せねえ……)

 彼は、怪訝な表情を少年に向ける。
 一方の少年は男に会えたのが余程嬉しいのか、ゾロを見詰めながら微笑んでいる。

「……さて、早速本題に入ろうかな、ゾロ。これから話す事をしっかり聞いてくれ給え」

 少年は、ゾロにそう告げた。
 当のゾロは、相変わらず疑心暗鬼の目を少年に向けているが、少年は涼しい顔を彼に向けたままである。

「まず最初に……唐突だが、君にも先程僕がやった事と同じ事が出来る力があるんだ。君達の世界で言う『念動力』だね……それは、君にも使えるんだよ」

「あ……あぁ?」

 聞いたゾロは、一瞬耳を疑った。
 彼は少年が何を言っているのか、さっぱり理解出来なかった。

(な、何言ってんだ、こいつ……)

 そんな彼の気持ちを他所に、少年の話は続いて行く。

「……単刀直入に言うが、君は、普通のニンゲンではないんだよ。君の体には、僕達と同じ『血』が流れている……『魔神』の血がね。君達の世界で言う『悪魔』の血が、君の体の中に、流れているんだ」

「……な、何……?」

 余りにも突然な話の内容に、ゾロは一瞬言葉を失った。
 誰が聞いても全く信じ難い話で、出鱈目な話にしか聞こえない。
 しかし、それは当たり前の事であろう。
 出会ったばかりの者の口から『悪魔の血を引いている』と言われて、それを鵜呑みに出来る訳がない。
 彼は、思わず声を荒げた。

「な、何言ってやがる……悪魔の血だと?そんなバカな話あるかよ……!!そんなモンは、おれは信じちゃいねえ!!おれは、生身の人間だぞ!!なんでてめえがそんな事を……!!」

 ゾロはそこまで言い掛けたが、少年の目を見るなり、また押し黙ってしまった。
 少年の得体の知れない力が、またしても彼を襲う。
 少年の金色と銀色の美しいオッドアイが、ゾロの姿を映し出していた。

「……少し話は長くなるが……」

 少年はそう前置きすると、静かに話を続けた。
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