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魔王之死刀

第4章 ・対峙


 十秒程経った後、彼は水中から勢い良く顔を出し大きく息を吐いた。
 そして浅瀬にある岩に寄り掛かり、頭の後ろで両手を組むと顔に流れる水もそのままに、何気なく空を見上げた。
 空の向こうに、陸地が見える。
 球体の内側に陸と海がある、何時見ても奇妙な世界。
 ゾロは頭の中で、今迄教えて貰った講義内容の復習を始めた。
 
 ……このダアトは、嘗ては『トウキョウ』と呼ばれる大都市だった。
 二十一年前、ある人物が『東京受胎』を起こし『ボルテクス界』へと変化させた。
 ボルテクス界とは、新たな世界を創生する為の世界。
 壊れ掛けの球体は、世界を創生する者を審判する『カグツチ』の残骸。
 そのカグツチを破壊し、ルシファーに付き従ったのが混沌王・人修羅。
 人修羅は、元々は東京受胎に巻き込まれた人間だった。
 その人間に興味を持ち彼に悪魔の力を授けたのが、ルシファー。
 その間、本当のトウキョウが消えた事で世界を混乱させない為に、四文字の神が密かに新しいトウキョウを創る。
 その後、ボルテクス界は魔界と化し、何時しか『ダアト』と呼ばれる様になる。
 人修羅の力もあり、ルシファー率いる魔王軍は四文字の神を撃破。
 ルシファーは四文字の神の魂を砕き、その知恵を喰らい、砕いた魂を完全に消滅させた。
 四文字の神の残党である『ベテル』との戦いは十八年間続き、三年前にほぼ全ての残党を撃破。
 四文字の神の知恵を喰らったルシファーは、宇宙の向こう側へと行き、事象となる。
 ベテルの東京支部が開発した人造魔人『アオガミ』とその知恵である少年が融合した存在が『合一神・ナホビノ』。
 そのナホビノが至高天にある『神の玉座』を破壊。
 悪魔は、四文字の神が消えた事によって『神でもあり魔でもある』と言う意味を込め『魔神』と名乗る様になる。
 魔神はそれ迄以上に人間世界に出入りする様になり、人間との戦いが勃発。
 神の知恵を喰らい、事象となっていたルシファーは、宇宙の真理を宇宙から学び、四文字の神が偽神と知る。
 宇宙の摂理である輪廻転生からの脱却こそ自由、と考えていた彼は、その脱却も宇宙の摂理の一つと悟り、再び大魔王へと戻った。
 そして、四文字の神が消えた事で消え掛かったトウキョウを再興。
 魔神との戦いに疲れた人間は、王であるナホビノを介し、ルシファーと会談、魔神と和平協定を結び今に至る……
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