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魔王之死刀

第3章 ・予兆


 さて、ゾロが魔界に姿を現してから半日以上過ぎた頃。
 ルフィ達海賊同盟と、四皇カイドウ率いる百獣海賊団の戦場となったワノ国・鬼ヶ島では、戦いが終わり皆が無事に顔を合わせたのも束の間、ゾロだけが姿を見せていない事に気付き、大変な騒ぎとなっていた。
 激しい戦いの後、数時間以上休む間もなく彼の捜索は続けられていた。
 麦わらの一味を中心に、同盟を結んでいる仲間達が手分けして彼を捜しているのだが、未だ何の手掛かりも得られていなかった。
 多くの仲間達は重傷を負い、麦わらの一味の船長であるルフィもカイドウとの戦いで力を使い果たし、意識が戻っていない状態であった。
 疲労がピークを達した仲間達は、一箇所に集まり小休止する。
 暫くの間、皆無言だったが、その静寂を破る様に、眉毛の端が渦を巻いている、金髪の男が口を開いた。

「……あんのクソマリモ野郎……一体何処に行きやがったんだ!!こんな時に迷子なんかになりやがって……!!!」

 次に、オレンジ色の長い髪を靡かせている女が、口を開いた。

「もしかしたら、鬼ヶ島が浮いてた時に、何処かに落ちたのかも知れないわよ……」

 次に、青っ鼻の小さな可愛らしいトナカイが、口を開いた。

「……やっぱり、薬の副作用が出て、もしかしたら意識なくて、どっかで倒れてるのかも……どうしよう……やっぱりおれがあの時、止めていれば……」
 
 次に、半身がロボットの様な姿をした、青い髪の大男が口を開いた。

「おいチョッパー、秘薬の投与はゾロが希望したんだろ……お前のせいじゃねえだろ。おれの方こそ、もっとしっかり捜しておけばこんな事には……」

 次に、サングラスを頭に掛けた、長い黒髪の女が口を開いた。

「ゾロ……何処かでミイラになってなきゃいいんだけど」

 次に、帽子を被り顎髭を生やした、長鼻の男が口を開いた。

「おいロビン!!一日でミイラになる訳ねえだろ……ってか怖い事言うなよ、こんな時によぉ……ルフィの奴も気ィ失ったままだし……これからどうなっちまうんだ……」

 次に、左目の横に傷がある、下顎から牙の生えた青い体の大男が、口を開いた。

「ルフィはそのうち目を覚ますじゃろうて……とにかく、今はゾロを皆で手分けして捜すんじゃ」
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