第17章 …不惜身命
『我が親友 二代目死皇帝ロロノア・ゾロへ。
青い星への無事の帰還、まずはお祝い申し上げる。
早速だが、この先の旅の行程を指示させて頂く。
ワノ国を出航した後、船を「カームベルト」へと進めて頂きたい。
その無風の海域には、海図には存在しない二つの島が隠されている。
そこは我等魔神族が管理する、言わば此度の戦の「拠点」。
遭難や神隠し等で表の世界から弾き出されたニンゲン達や、我等と縁を結んだ者達が、海王類に囲まれたその島で独自の社会を築き、暮らしている。
しかし閉ざされた地故、淀みもあり、島には四文字の残党や我等から離反した裏切り者の魔神族、そして悪事に手を染めるニンゲンも紛れ込んでいる様子。
……かの地をどう鎮め、或いはどう利用するかは、全て二代目死皇帝である君にお任せする。
かの島には、我々魔神族のエネルギーを維持する為の「マグネタイト・タブレット」や魔力を回復させる為の「チャクラドロップ」等、必要な物が売られている場所がある。
存分に活用すると良いだろう。
この二つの島へのルート及び船の移動方法は、カームベルトに行けば判る。
心配は無用だ。
最後に、この手紙と機密文書を君に届けた少女……ハーデスについて。
彼女は、我等が魔王族の同胞である冥王族の血を引く者。
幼少の頃より「王に仕える側近」として厳しい英才教育を施した、極めて優秀な才能を持つ。
彼女の心は、闇に包まれている。
しかし、その魂は美しい。
君が内に抱える「闇」の暴走を繋ぎ止める、良き「鎖」となるだろう。
新しき王の旅路の傍らに置く者として、僕から推薦させて頂く。
とは言え、君は女性の扱いに興味を持たぬ御仁。
もし彼女を足手纏いだと感じたならば、その場で拒絶し、捨て置いて頂いても一向に構わない。
我々は、常に君の自由意志を尊重する。
七十二柱の魔神を始め、魔界の同胞達は皆、君の戦いを見守っている。
では『刻』が来たら、また会おう。
……ご武運を。 大魔王ルシファー』