第16章 …異変
しかも二年前のものから今迄出された三枚の手配書が、全てコンプリートされているのである。
その部屋にいる仲間達の視線が、自然とゾロに向けられた。
流石の剣豪も、こんな事で注目されるとは思わず……その視線から逃れる様に明後日の方向を向いたその時。
襖が開き、隣の部屋からチョッパーが姿を現した。
「ゾロ……あの子、まだ気失ってるけど、処置は終わったから入っていいぞ」
チョッパーの言葉に頷き、ゾロは刀を手に、無言で立ち上がる。
「ちょっとあんた、これ……あの子に代わって渡しとくわ。ちゃんと読んであげなさいよ」
ナミはそう言って、ゾロに手紙と大きな封筒を手渡した。
静かに部屋に足を踏み入れ、彼女の傍で胡座を搔いた。
規則正しい、小さな寝息が聞こえる。
手の中にある二年前の手配書には、何度も握り締めたであろう皺が寄っていた。
彼女がどれ程この紙切れに祈りを捧げて来たのか。
手配書には、彼女のゾロに対する強い想いがはっきりと残っていた。
大きな封筒に宛名はない。
だが、中身は彼女自身の生きた証そのものだった。
ゾロは自分宛の封筒の封を切り、便箋を取り出した。
震える様な、しかし丁寧かつ懸命に書かれた文字で、それは書かれていた。