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魔王之死刀

第16章 …異変


「ちょ、チョッパー落ち着けっ……悪霊退散、悪霊退散っ……それでなくてもゾロ怖えのに……オバケになったらもっと怖えよーっ!!!」

 そんな二人にナミは心底呆れつつ、ゾロに文句を言い始める。

「オバケな訳ないでしょ。ゾロ、あんたもあんたよ、私達がどんだけ心配したと思ってんのよ!全く……まあ、無事だったから良かったけど。どうせ何処に行ってたのかも判んないんでしょ?もう、迷子になるの、本当止めてよね」

「ハッハッハッハ……ナミ、もうええじゃろ。何にせよ、ゾロが無事で本当に良かった。城に戻ったら、ワノ国上げての宴じゃからのう。ゾロ、一杯付き合ってくれんか?」

 体も懐も大きなジンベエの言葉に、ゾロは微笑み静かに答える。

「おう、一杯でも十杯でも付き合ってやるよ。ああ、それより……城に行く前にサニー号に戻りてえんだけど、いいか?」

「サニー号?そう言えば、チョッパーの奴も薬草取りに戻るって言ってたな……って、チョッパーお前、まだ泣いてんのかよ」

 サンジの突っ込みに、ルフィは満面の笑みを浮かべてその両腕を空に向けて突き上げた。

「よーし!!じゃあみんなで船に行こう!!野郎共、サニー号に戻るぞーっ!!!」

「おう!!!」

 麦わらの一味は船長の号令に応えると、サニー号に向かって歩き出した。
 しかし……ただ一人、ゾロの背中を見詰めたまま、無言で歩いている仲間の姿があった。
 そんな仲間の様子に気付いたロビンが、振り向いて声を掛ける。

「……ブルック、どうしたの?さっきから黙ったままだけど……」

「え?あ、いえ、何でもありませんよ。ゾロさん……元気そうで本当に良かったと思って……」

「そうね……本当、無事で良かったわね」

 ロビンはその笑顔を、前を歩くゾロの背中に向けた。
 だが、ブルックだけは僅かながらに、ゾロから放たれる何か……異様とも言える熱さと冷たさを感じていた。
 彼は『ヨミヨミの実』の能力者である。
 一度命を落とし、悪魔の実の力で黄泉の国……幽界から舞い戻り、蘇ったブルックだからこそ判るのだろう。
 ゾロの『異変』を、彼は少なからず、感じ取っていたのだった。
 ……その後、サニー号に到着した一行は、船に足を踏み入れるなり目を丸くした。
 美しい芝生が敷き詰められている甲板に、それは大胆に置かれていたのだ。
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