第7章 ・死皇帝
金色の戦車に乗った巨大な魔王。
その姿は、男性そのモノであり、体からは、何本もの触手が蠢いている。
戦車の上で、彼はものの見事にそそり勃っていた。
見る者全てを色々な意味で圧倒する、人間界でも有名な魔王である。
「うむ……わしは魔王『マーラ』である……お初にお目に掛かる」
「おれは、ロロノア・ゾロだ。そうか……お前がオセの言ってた『ご立派なお方』か。確かにこりゃ……ご立派だぜ……」
ゾロは、その目を白黒させつつ、ご立派な姿の魔王を見上げている。
何処からどう見ても、男のアレの形である。
(……こんなのが街ん中に現れたら……フランキー以上にヤベェだろ、こりゃあ……)
ご立派なお方を見上げつつ、ゾロは仲間であるフランキーの事を思い出した。
フランキーと言う男も色々な意味で変態であり『変態』と言う言葉自体が、彼の褒め言葉になってしまっている程なのだ。
しかし目の前にいる魔王は、姿形自体が完全に公然わいせつ罪である。
ゾロは、魔王族の姿が多種多様である事を尊重しつつ、思わず心の中で呟いた。
(……良かった……おれが死皇帝に変異した姿が、コレでなくてマジで本当に良かった……幾ら同じモノ持ってるからって……こんなんだったら外歩けねえし……流石におれも……船の奥に引き篭もっちまうぜ……)
そんなゾロの心の呟きに気付く筈もなく、ご立派なお方は相変わらず自信満々、彼に訊く。
「フォフォフォ……小僧、どうぢゃ?お主のモノよりもわしの方が、遥かにご立派であろう」
「そ、そりゃ……お前の方が、でけえからなあ……」
ゾロは苦笑しつつそう答えると、ご立派なお方は満足したのか、更にギンギンに……いや、得意気にそそり勃った。
彼の体に浮き立つ血管が、妙な厭らしさを醸し出している。
「そうぢゃろう、そうぢゃろう……しかして小僧よ、お主も相当ご立派なモノを持っていると見受ける……わしには判る、判るぞい……流石は新しき魔王ぢゃ。お主に昇天させられるオナゴは、増える事間違いナシぢゃな!!フォフォフォフォフォ!!!」
「え!?あ、いや……お、おれぁ、そう言うのは……」
ゾロは、明らかに困惑している。
ご立派な魔王は、戸惑う若き魔王に活を入れる様に、飛んでもない事を言い出した。