第7章 ・死皇帝
「何を言っとる!!男子たるもの、オナゴの前でハッスルハッスル!!!は大事ぢゃぞ。お主は男前なヤングメンであり魔王……そっちの方も強くなければイカン。機会があったら、両手に余る程のオナゴを連れて来てヤる故、ハッスルの手解きを直々に教えてヤるからのう」
「あ!?……え!?は、はあ!?……い、いやいやいや……おれは……そんなん、マジで、マジで要らねえから……!!」
ここは公の場……ご立派なお方の大胆過ぎるお誘いに、ゾロは顔を引き攣らせながら、思わず二歩三歩、後退りする。
「照れるでない、照れるでない。オナゴ達は喜んで、お主の激しい地獄突きを味わう事になるぢゃろう……わしと一緒に、大勢のオナゴ共とハッスルハッスルパーティーぢゃ!!!……その時を楽しみにしている故……コンゴトモ、ヨロシク……」
「そ、そ、そんなのは本当に要らねえから……ま、まあ……こ、コンゴトモ、ヨロシク……」
明らかに危険な内容のパーティーである。
流石の彼も顔を赤らめ、気不味そうに頭を掻いた。
(そっ、そんな変態パーティーになんて参加したくねえよ……一度に何人の女とヤりゃ気が済むんだ……このご立派様はよお……)
ご立派なお方のアレでアレな内容の会話に、流石のゾロもタジタジになり、大きな溜息を一つ吐く。
彼は、男らしい豪快な性格とは裏腹に、あからさまな猥雑な話は苦手としていた。
額に流れる冷や汗を、スーツの袖で拭う。
その時、また彼に声を掛ける者が現れた。
「……初めまして、新たなる魔王……ロロノア・ゾロ」
ゾロが顔を上げ振り向くと、そこには、左側頭部から巻き毛を垂らした少年の姿があった。
少年と言っても魔神であるので、もう何億年と言う時を生きているのだが。
そんな彼の肌は緑色で、三日月と満月を模した頭飾りを冠している。
彼は、ゾロに頭を下げ、丁寧に挨拶をした。
「僕は、魔王ルシファー閣下よりエジプトの守護を仰せ付かる、月の神『コンス』と申します。貴方の帰還を心より、お待ちしておりました……コンゴトモ、ヨロシク……」
ゾロは一瞬、相手の静かな声音の奥に、長い年月を経た重みの様なものを感じた。
「エジプトの月の神……コンスって言うのか。確か、エジプトって所は砂漠の国だったよな。ピラミッドってのがあるって聞いたが……」