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蜘蛛の愛し仔

第1章 ハジマリ×ト×デアイ


しかし走るだけなんてなんと簡単な試験だろうか、フェイタンが考える戦闘訓練よりずっと楽ではないか。

「変なテストだね。」

「さしずめ持久力試験ってところか。望むところだぜ!どこまでも着いて行ってやらぁ。」

やる気満々のレオリオを横にクラピカは何か考えているのか苦悶の表情を浮かべる。

「クラピカ?どうしたの?」

「いや、この試験は場所も到着時刻も分からないとするとかなりの精神力を要すると思ってな。」

「あー確かに。到着時刻とか教えて貰えないとペース配分が狂うよねー」

いや、そういう訳では無いが...とクラピカは心の中で思うが口には出さない。
もうどれだけ走っただろうか。
先の見えない単調なコースが少しずつ息が上がってくる人や脱落者を出し始めていた。


感覚的には2時間は走っているだろう。約30キロは超えていると思う。

(いつまで走ればいいんだろう。そろそろ飽きてきたなぁ。クラピカやゴンはまだ余裕そうだけど、レオリオは少し疲れ始めてるみたい。)

チラリとレオリオに視線を向けた時だった。
レオリオは1人の少年に怒声を浴びせた。

「コラッ!待てガキ!」

「ん?」

「てめぇハンター試験舐めんじゃねぇぞ!!」

「なんの事?」

罵声を浴びせられた白髪の男の子はなんの事だかさっぱり分からないと言わんばかりにレオリオを見た。

「なんの事って!そのスケボー!反則だろう!」

「なんで?」

「な!こりゃ持久力のテストなんだぞ!」

「「違うよ。」」

ムキになるレオリオの発言を撤回するようにゴンとエレノアが否定する。

「ゴン!エレノア!テメェら何言ってる!」

「試験官は着いて来いって言っただけだもんね。」

「そうそう。スケボーを使っちゃダメなんて一言も言ってないもん。」

ねー!と顔を見合わせる2人にレオリオは怒りが我慢できないと言わんばかりに怒鳴る。

「テメェらどっちの味方だコラ!」

「まぁまぁそうカリカリなさんな。」

「キレるなっていうのが無理あるだろうが!」

(ヒソカいわく短気は放出系らしいからな。レオリオは念を身につければ放出系になるのかな。)

そんなことを考えていると白髪の少年はスケボーのスピードを落とすと2人に並ぶ。
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