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蜘蛛の愛し仔

第1章 ハジマリ×ト×デアイ


ゴン!クラピカ!レオリオ!お待たせ!」

「エレノア!話はもういいの?」

「うん。それにそろそろ始まるみたいだしね。」

─────ジリリリリリリリッ!!

エレノアの言う通りにベルが鳴り、先程まで壁だったところがシャッターのように音を立てて上がり中から髭のおじさんが現れる。

『大変お待たせ致しました。只今をもってハンター受験者の受付時間を終了いたします。ではこれよりハンター試験を開始いたします!』

ついに試験という名の戦いの火蓋が切られた。
その瞬間空気が震えるのが肌で感じ、ゴクッと固唾飲む。

「最終確認です。この試験は運が悪かったり、実力が乏しかったりすると大怪我をし、最悪死に至ることもあります。それでも構わないと言う方のみボクに着いて来てください。そうでもない方は後ろのエレベーターから速やかにおかえりください!」

試験官がエレベーターを指さす。しかし誰1人その場から動かなかった。
全員がどんな事があってもこの試験に望む。ということを示唆していた。

「承知しました。第1次試験405名全員参加ですね。」

髭の試験官は回れ右をして歩き出す。それと同時に少しずつ前から進み出した。

「やっぱり誰も帰らねえよなぁ。ちょっとだけ期待したんだが。」

「まぁここまで来て帰るのもね。」

「それもそうだな。」

すると歩き出して数分異変はすぐに起きた。
前を歩いていた試験官がスピードを上げたのだ。それに比例し必然と前列が走り始めた。

「な、なんだ?」

「前の方が走り出したんだよ。」

「先頭がペースを上げたんだ。」

「あ、多分だけどこれが試験だ。」

エレノアがそう言うとレオリオは「どういうことだ?」と問い掛ける。
すると試験官がわざとらしく思い出したように口を開いた。

「申し遅れましたが私第1次試験の試験官の【サトツ】と申します。これより皆様を2次試験会場へと案内します。」

「2次?てことは1次は?」

「もう始まっているのでございます。」

その瞬間受験者から困惑した声が木霊してザワザワと騒ぎ始める。

「じゃあサトツさんにただ着いて行ったらいいの?」

「406番さん。察しがいいですね。しかし場所や到着時刻はお答えできませんのでご注意を。」

「はーい!」

余裕そうに元気よく返事をするエレノアに数人が空気が読めてないのかコイツと思う。
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