• テキストサイズ

【ヒロアカ】re:Hero

第7章 君に負けたくない


「星野!俺と組もう!本気でお前を守る!!」
「いやいや!僕の個性で空飛べるし!それで緑谷を奪えば勝ち確だって!」
「想花ちゃん、俺らのチームに来たらお姫様ポジ間違いなしだよぉ〜!」

次々と飛んでくる声に、思わず目を丸くする。

『ちょ、ほんとにちょっと待って!?』

まるで人気投票のステージにでも立ってるみたい。
視線が刺さるし、呼吸が少しだけ早くなる。…いや、冗談抜きでちょっと汗かいてる。
これ、戦い始まる前に私のメンタルが先に潰れるんじゃない?

頭を抱えかけたそのとき――

「……おい」

その低くて重い一言が、空気を変えた。

ピタリと、周囲のざわめきが止まる。

爆豪が腕を組んだまま、ゆっくりと一歩、前へ出た。

「星野。オレと組め。こっち来い」

まっすぐな目。
強くて、ぶつかってくるような声。
だけど不思議と、どこか当たり前のように言ってくるその感じが、余計に心を揺らす。

言い方、ズルいなって思った。
……ちょっとだけ、胸が跳ねた。

けど――

「俺も、星野と組む」

いつの間にか隣にいた轟が、静かに口を開いた。

感情の読めない声。
だけど、その目は確かに私を捉えていて。
そこにこもっていたのは、ただの興味じゃないって、すぐに分かった。

場がざわつく。視線が集まる。

「え!?爆豪と轟が…!?え、まさか取り合い!?」
「どっちに行くの!?どっち!?」

プレゼントマイク「さぁさぁさぁ!!恋と戦いの交差点ッッ!!ここは青春の分岐点ッッ!!!星野選手、どっちに乗るんだァァァ!?爆裂エース!?それともクールビューティー白銀の騎士ッッ!?」

相澤先生「騎馬戦だって言ってんだろ。落ち着け」

プレゼントマイク「からのッ!!イレイザーの塩対応ッッ!!でもそれも青春ッッ!!静と動のコントラストッ!!」

相澤先生「実況やめさせんぞ」

プレゼントマイク「やめないッッ!!これが文化だァァァ!!」


プレゼントマイクのノリノリな声が煽る中で、

相澤先生のひと言が地味に刺さる。

でも、そんな中で――私は、ふっと笑った。

気持ちは、もう決まってた。
/ 664ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp