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【ヒロアカ】re:Hero

第24章 想いを、繋ぐために


壊理 side


オールマイトと並んで、私はテレビの画面を見つめていた。

画面の中では、知らない場所で、知らない人たちが戦っている。
でも、その中には知ってる人もいて……。
デクさんが、必死に誰かを守ってた。
ルミリオンも、かっこよく動いてて……。

みんな、すごく、かっこよかった。
でも……なんだか胸がぎゅっとした。

みんな、痛そうで、悲しそうで。
画面の向こうに、たくさんの涙と、叫びが見えた気がして。

「壊理ちゃん、大丈夫かい?」
隣で、オールマイトが心配そうに私を見た。

私は、小さく頷いた。
――大丈夫、でも。

そのときだった。

空気が、ふわって揺れた。

目の前の空間が、まるで夢みたいに歪んで――
一瞬、光がきらめいたかと思ったら。

「……っ、お姉ちゃん!?」

血に濡れた姿で、想花お姉ちゃんが、そこに立ってた。

「お姉ちゃん……!?ど、どうして……?!」

私は、とっさに駆け寄って、彼女の手を握った。
手も、腕も、制服も、あちこち真っ赤で。
足もふらふらしてて、息も荒くて。

「っ…し、心臓は!?もしかして、お腹?! どこが、痛い!?」

思わず叫ぶと、オールマイトもすぐに駆け寄ってきた。

でも――

「ふふ……大丈夫だよ。ちゃんと、止まってるから」

想花お姉ちゃんは、にっこり笑った。

いつもの、やさしい声で。
いつもの、私を安心させてくれる笑顔で。

でも、その笑顔が逆に、苦しくて。
私、目が熱くなって、言葉が出なくなっちゃって。

――なのに、お姉ちゃんは、すごくうれしそうに笑ってた。

まるで「会いに来られて、よかった」って。
まるで、「大丈夫だよ」って、全部包んでくれるみたいに。

私の胸に、ぽっと、あったかい光がともった。

(お姉ちゃん……)

次の瞬間には、私はもう、何かを悟っていた。

この人は、
“壊す”ためじゃなく、“叶える”ためにここへ来たんだ――って。
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