第6章 また明日
午後の柔らかな陽射しが教室の窓から差し込んで、私はいつもより少し緊張した気持ちで席に座っていた。今日はヒーロー基礎学の特別授業。相澤先生、オールマイト、そしてもう一人の講師の三人体制だって。聞いただけで心が踊る。
(人命救助訓練――。みんなで、協力して、絶対に成功させたい。)
教室がざわつき、相澤先生の声が響く。
「みんな、校舎を離れて訓練場へ向かう。準備をしてバスに乗り込め。」
一斉に動き出すクラスメイトの中で、お茶子ちゃんが隣で明るく話しかけてくれた。
「想花ちゃん、緊張してる?でも、大丈夫だよ。私たち、きっとうまくやれる。」
『…ありがとう。みんなで頑張ろうね。』
バスに乗り込み、窓の外の景色が流れていくのを眺めながら、私はふと思う。新しい生活も、こうした訓練も、まだ始まったばかりだけど、こんなに誰かと支え合えることが嬉しい。
「おい、寝るなよー!」峰田くんが後ろの席から叫び、思わず笑みがこぼれる。
「峰田くん、わかったよ!しっかり目覚めてるから!」と返すと、みんなも笑っていた。
その中で、緑谷くんは少し緊張した面持ちで、自分のノートを何度も確認している。
(出久くんも真剣だな…私も負けられない。)
そんな和やかな空気がバスの中に満ちていて、どこか安心感に包まれながら、私は今日の訓練に胸を膨らませていた。