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【ヒロアカ】re:Hero

第14章 仮免の向こう側【R18】


仮免試験の会場前。
コンクリの広い敷地に集まった制服の色も人もバラバラで、
ちょっとしたお祭りみたいにザワザワしてる。

『……ふぅ。よし、大丈夫、大丈夫――』

自分に言い聞かせながら、校門をくぐろうとしたその時だった。

「――やっぱり! 君、星野 想花だよね?」

突然、目の前に黒髪の男の子が現れた。
制服は見慣れないデザインで、その胸元には【傑物学園高校】の校章が光ってる。

『……はい?』

私が立ち止まると、その子――彼は人懐っこく笑って、
すっと私の前に立った。

「やっぱりだ! ニュースで見たときからさ、
一度会ってみたかったんだよね!」

目が合った瞬間、まっすぐな瞳にちょっとだけ胸がドキッとする。
声も仕草も爽やかすぎて、逆に人混みの中で浮いて見えた。

『……私を?』

「そう! 君、ヴィラン連合にさらわれてから
戻ってきたって噂になってたろ? しかも――すごいんだってな?
またA組に戻ってきて、すぐにこの仮免だなんて!」

私の胸の奥に、啓悟の顔が一瞬よぎる。
――こんなとこ、見られたら絶対拗ねるやつだ。

彼はそんな私の反応なんかおかまいなしに、
にこっと笑って手を差し出した。

「傑物の真堂 揺って言います!
これからは同じヒーロー仲間だし、よろしくな!」

差し出された手を、私は戸惑いながら見つめた。

『……えっと、よろしく……』

私が手を伸ばそうとした瞬間――
背後から誰かの視線を感じた気がして、ドキッと息を呑んだ。
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