第14章 仮免の向こう側【R18】
夜風が優しく吹く屋根の上で、
啓悟の腕の中にいる私は、彼の瞳をじっと見つめていた。
『ねえ……啓悟。』
私の声は、ほんの少し震えていた。
『どうして……面会許可通れたの?』
啓悟はふっと笑みを浮かべ、肩をすくめる。
「んー?それはな、俺が先生と顔見知りだからさ。
ちょっとだけ抜け道を知ってるってやつだ。」
『抜け道……?』
彼の瞳が優しく輝いた。
「家族でもないし、他の誰でもなく、
俺だけが会いに来るって言ったら、いろいろ聞かれたけどな。」
その言葉を聞きながら、私はぎゅっと彼の手を握った。
「でもさ、先生も俺のこと信じてんだと思うよ。
想花のこと、ちゃんと守るってのをな。」
その言葉に胸がじんわり温かくなる。
『啓悟……』
すると、啓悟がそっと顔を近づけてきて、
私の頬に優しくキスを落とした。
「明日は絶対に失敗すんなよ。
オレが後ろで見てっから。」
キスの余韻が頬に残り、心臓が強く鼓動を打つ。
『うん、頑張る。』
夜空に輝く星たちが、二人の未来を静かに見守っているようだった。