第11章 ドキドキ期末
想花side
お風呂から戻ると、さっきまで机に広がってたプリントの山はきれいに片付けられてて、
代わりに床の上に並んだ……あれ? 枕? 毛布??
『……ねえ、これって……』
「おっ、おかえり〜!さっぱりした?」
上鳴くんがこっちを振り向いて笑う。
その後ろで、切島くんが毛布を畳んで、「泊まってってもいいかなって!」なんて言ってる。
『え、泊まり……?』
「明日も勉強会だしさ、どーせまた来るなら、今日はもうここでやっちまった方が効率いいっしょ?」
「……っていうかもう、この家、俺らの第二の家みたいになってない?」
瀬呂くんの冗談に、ふふっと笑いがこぼれた。
たしかに──気がつけば、みんなとこうして過ごすのが、なんだか自然になってた。
勝己は一人、ソファにもたれて水を飲んでる。
言葉はないけど、そのままここにいるって顔をしていて……それだけで、なんだか安心した。
『……じゃあ、私も朝ごはん、張り切って作らなきゃだね』
「マジで!?やった!!」
「おい、また太るぞ、上鳴!」
「わーっ!それ今言う!?俺の夢を壊すなー!」
わいわいと響く声に、つられて私の頬もゆるむ。
ああ──なんか、いいな。
この距離感、この空気。
誰かと一緒にいることが、こんなにも心強いなんて。
明日もきっと、笑っていられる気がした。