第12章 期末テスト
相「今俺はお前に先生として接していない」
「じゃ、じゃあ…何者として私と…」
相「……"保護者"だ。だから受け取っとけ。使う使わないはお前の自由だ。でも俺はそれを使っても使わなくても、お前が楽しそうな顔を、喜んでる顔を見れたら俺はそれで満足だ」
「先生…」
(いつも優しいけど、先生がこんなに優しいの…しかもこんな素直に言ってくれるの…初めて…)
は相澤の顔に手を伸ばした。
相「っ……」
すると
ピトッ
少し冷たいの手が相澤の額に触れた。
「先生、熱あるの?」
の真意が分かった相澤は深くため息をついた。
相「はぁ…ねぇよ」
相澤は立ち上がった。
相「テストも終わったんだし、明日は息抜きに楽しんで来い。おやすみ」
相澤はの頭を乱暴に一撫ですると、「鍵ちゃんと閉めろよ」と言って出ていった。
は相澤が出ていったドアを見つめ思い出していた。
"先生じゃない"
(あの時の表情…一瞬だけだけど…なんか、"男"の人の顔になってた気がする…いや、先生は男性だから当たり前なんだけど…なんだろう…初めて…こんなドキドキするの…)
は自分の胸に手を当て、初めて感じる気持ちに戸惑っていた。
一方相澤も先程の出来事を思い出していた。
"……保護者だよ"
相「それでいられるといいがな…」
相澤はもう既にそれ以上の領域に足を突っ込んでしまいそうなのではないかという自問を飲み込んで、まるで自分に言い聞かせるようにそう呟いた。
その日の夜はそんな2人の戸惑いや迷いも吸い込んでしまうほど、深い暗闇だった。