第12章 期末テスト
そしてその日の夜、相澤がの元へやってきた。
コンコンッ
「はい」
は鍵を開け、扉を開けた。
相「よう」
「先生…」
相「鍵かけるようになったのは合格だ。でも誰か確認もしないで開けるんじゃない」
「心配症…。で、どうしたんです?」
相澤が部屋に入ると机の上には、参考書が広げられていた。
相「楽しいか?学校は」
「…はい。楽しくて仕方ないです。いつか…こんなに楽しい日々の大きな代償が来てしまうんじゃないかって、たまに怖くなるくらい」
相「…そうか。まあそういう時のために俺たちがいるから、安心しとけ」
「はい…先生」
相「テスト、よく頑張ったな。余裕で合格、とは言えないが、よくあの状態から赤点回避まで持ってった」
「先生…」
には分かった。
相澤はテストのことを褒めるためにわざわざ来てくれたのだ。
だが敢えてそれを口にはしなかった。
「先生のおかげです。先生が見てくれたから、ここまで出来ました」
相「頑張ったのはお前だ。手助けしても、やれないやつは大勢いる。その中でお前はちゃんと頑張った。ただそれだけだ」
「先生…ありがとう」
相「明日みんなで買い物行くんだろ」
「え、なんでそれを…」
相「上鳴たちがでかい声で話して帰るのを聞いた。お前金持ってんのか」
「お金…あ、少しだけ」
はボロボロの財布から千円札数枚と小銭を取り出した。
「まだ病院に預けられる前に、自分で取っといたんです」
はこともなげに言った。
その様子を見て相澤の目頭は少し熱くなった。
相「…そうか。じゃあこれ取っとけ」
相澤はそう言ってにお金を渡した。
「先生これ…いや、ダメですよ受け取れないです」
相「先生じゃない」
「えっ…」
一瞬、相澤が見たことのない表情になった気がした。