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キバナさん 男娼を買う

第8章 褒美



(キバナ視点)




 「はあ………。」

 やっと終わった……。
 閉会式が終わって、
 家に帰ってすぐに寝室になだれ込んだ。
 ベッドでうずくまっていたレイが
 体を起こした。

 「キバナさま、おかえりなさいませ。」

 「ああ。」

 レイがベッドの脇まで寄ってきた。

 「鎖、取ってやるよ。」
 
 首の鎖を外してやると、
 レイがズレた首輪を直した。
 これでコイツは部屋の外に出られるようになる。

 「荷物片付けて来い。」

 「はい。」

 自由になったレイが、
 オレさまのカバンを
 ぱたぱたとクローゼットにしまう。
 代わりにルームウェアを持ってきて、
 ベッド横の棚に置いた。

 「これ洗濯。」

 「はい。」

 家に帰ったら、
 まずカバンの片付け、洗濯、夕食の準備。
 日中は寝室の掃除やベッドメイキング、
 クローゼットの整理やらなんやら。
 骨折してるレイでもできる家事はある。
 やり方を教えたら、すぐに覚えた。

 「キバナさま。」

 レイが洗濯物をカゴに入れて戻ってきて、
 ベッド近くの床に座った。

 「お仕事、お疲れ様です。」

 「ああ。」

 「シャワー…浴びられますか?」

 「ちょっと休んでからにする。」

 「かしこまりました。」

 レイがまた立ち上がって、
 バスタオルとガウンを持ってシャワー室に向かう。
 このまま寝てしまいたいが…。
 砂だらけの体で寝たくない。
 鉛のように重い体を起こす。

 「キバナさま…?」

 「やっぱ今入る。お前もシャワー浴びとけ。」

 「はい。」





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