第10章 露見
「………ん…。」
きゅっとチョーカーを握ると、
僕の首が少し締まる。
リードを引かれた時と、同じ圧迫感。
そのリードを引いてくれるキバナさんが
ため息をついた。
「はぁ…言い訳考えとかねぇとな。」
「言い訳?」
「聞いてなかったのかよ。
お前の首輪、外すって約束してんだ。」
「外すの…いやです。」
「わかってる。問題は、
マクワをどう納得させるか。
…ま、考えてもどうせバラされるんだけどよ。」
キバナさんが僕の肩を抱いて、
ベッドに押し倒す。
僕の体がベッドに沈みこんだ。
「寝るぞ。明日も仕事だ…。はあ。休みたい。」
「じゃあ、マットレスに、」
「だから。マットレスは禁止だ。
仕方ないから、今日はベッド貸してやる。」
「一緒に寝られません。
せめて床で、」
「床も禁止だ。…ったく、
ちゃんと覚えろ。」
キバナさんが、
僕の身体に掛け布団をかける。
ふわふわのベッドに、僕とキバナさんが
包み込まれた。
「…添い寝とか、女としかしたことないけど。」
キバナさんが抱き寄せてきて、
僕の体を引き寄せた。
するするとシーツを擦って、
僕の顔に胸板が押し付けられた。
「……。キバナさん。」
「なんだよ。」
「おやすみ、なさいませ。」
「…ああ。おやすみ。レイ。」
ぽんぽんと頭を撫でられて、
さっさと寝ろ、と文句を言われる。
キバナさんの服を握って、目を閉じた。