第7章 溺れる
「ん、んぅぅ…」
最後に鈴口を口に含んで、
じゅっじゅっと吸う。
キバナさまの精液が口の中に広がった。
苦いけど、慣れた味だ。
「…………ぷは…。」
掃除が終わって、
綺麗になった雄を収めていく。
大丈夫、だっただろうか。
ここまでキバナさまから
良いとか悪いとか、そういう言葉は一切ない。
かちゃかちゃとベルトを整えると、
キバナさまの手が、僕の頭に触れた。
「…………。」
キバナさまの手が優しく僕を撫でてくれる。
良かったらしい。
ほっとしてキバナさまの脚に擦り寄る。
筋肉質なキバナさまの脚は、
固くて、少し暖かい。
「今日ほんとムカついてよ。」
「はい。」
「オリーヴが、ジムの掃除の仕方が
悪いって言いに来やがったんだ。
腹立つぜ。ジムトレーナーが掃除し直してた。
明日ローズが来るからって、
神経質になりすぎだよな。」
「大変でしたね。」
ここから、キバナさまは雑談を始める。
男性には誰しも、賢者タイムがある。
掃除し終わったら、それまでの
とろとろに甘くなった空気は即終了する。
「ま、1番キレてんのはジムトレーナーだけどな。
オレさまは手持ち調整してるだけで
終わっちまったし。」
「調整は上手くいったんですか?」
「当たり前だ。オレさまを誰だと思ってる。」
「キバナさまです。」
キバナさまはその間も、
僕の髪をずっと撫で続けていた。
たまに毛束を指に絡めて遊んでいる。
少ししてから、
キバナさまが僕から手を離し、
首輪からリードが外された。
重い鎖が床にじゃらりと落ちた。肩が軽い。
「女、部屋から出して玄関まで送ってやれ。
オレさまはシャワー浴びてくる。」
「はい。」
キバナさまが寝室から出て、
シャワー室に向かう。
部屋から出せ、ということは
感度は良かったがリピートは無いらしい。
ワンナイトだ。
「失礼します。」
一言声をかけてから
女性のいる部屋に入る。
さっさと帰らせないと、
キバナさまの機嫌が悪くなる。
一緒に掻き出してやらなきゃいけないだろうか。
女性の壺に指を突っ込むのは嫌なんだけど…。