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キバナさん 男娼を買う

第6章 首輪








 「………………、ぅ、」

 がたり、と音がして目が覚める。
 目を開くと、やっぱりあのベッドにいた。
 相変わらずシーツは薄くて固い。
 …夢じゃない。

 「ん………」
 
 腕を抑えながら身体を起こす。
 かなり寝てしまっていたらしい。
 時計が18時をさしていた。

 部屋の外からガタンと音がする。
 誰かが家にいる。
 ………家主、だろうか。

 「ぐ……痛い……。」

 身体中がびりびりと痛む。
 痛み止めが切れたんだ。
 棚の上にあるペットボトルで薬を飲む。
 これで、少しすれば効いてくるはずだ。

 身体をひきずってドアに向かう。
 鍵穴を覗けば、
 外が見えるかもしれない。

 そう思ってドアに触れ、止まる。
 

 『絶対出るなよ』
 

 家主の言葉が、脳内に浮かんだ。


 「………でちゃ、だめだ。」
 
 ドアノブから手を離す。
 どうせ部屋から出たところで、
 玄関で止められる。
 ここにいるのが賢明だ。
 それに、助けてもらった恩もある。
 逆らいたくない。

 「……………。」

 そのままベッドに戻り、端に座った。
 痛み止めは、まだ効いてこない。
 ずきずきと腕が痛むが、
 もう寝る気もしなかった。

 「……仕事、全部キャンセルかな…。」
 
 さっきから鳴ってる携帯を
 ベッドの上に置いた。

 この身体じゃ、仕事にならない。
 明日からどう生活しようか、
 検討もつかない。
 

 借金はどんどん膨らんでいく。
 財布は空っぽだ。
 今月の利子分すら返せない…。

 「…………。」
 

 どうしよう…これから………。
 




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