第4章 探す
「はぁ…。」
ソファーに腰掛けて酒を煽ってると、
少年が部屋から出てきた。
服はきちんと整えられていて、
来る前の格好そのままだ。
オレさまの近くに来て、床に座った。
「ほら。」
いつもみたいに、ちょっと多めに出すと、
申し訳なさそうに金を受け取った。
「いつもありがとうございます。
水も、掻き出す時間もいただいているのに…。」
「オレさまが出したいからやってる。
だからいいだろ。」
「感謝しています。本当に…。」
オレ達の関係は、
セフレ以上、友達未満ってところだろうか。
お互い絶頂を迎えているし、
終わった後もちゃんと時間を作る。
ただの客ではない、と、思いたい。
少年も、借金のことを話させてから
少し距離が縮んだ気がする。
「いつまでに返せる予定なんだよ。」
「あと3、4年。
父親がまた作ってきてしまって
延びてしまいました。」
「また作ったって…。借金を?
父親は何やってんだか。」
「分かりません。」
「ったく。」
オレさまがもう一杯酒を注ぐと、
少年がそれをじっと見ている。
「言っとくが、飲ませねぇぞ。」
「残念です。」
飲みたかったらしい。
オレさまが酒を煽るのを、物欲しそうに見ている。
グラスから酒がなくなると、少年は目を逸らした。
「そんな顔しなくても、そのうち飲める。」
「今飲みたいです。」
「ダメだ。」
「……………。諦めます。」
眉間に皺を寄せて、少年がため息ついた。
ま、飲んで忘れたい気持ちは、
分からなくはないけどな。