第10章 露見
「なんだよそれ。そりゃあ帰るだろ。
家なんだし。」
「だって…本当の家に……
また、戻るんじゃないかって…すごく不安で…。」
「…………。」
あの廃墟に返せって…
ダンテはオレさまを試す意味で
言ったんだと思うが、やはり虫唾が走る。
レイも、オレも…
思い出したくない。
「ここがお前の家だ。忘れんなよ。」
「…………。」
頭をくしゃくしゃと撫でる。
「これはもういらない。
なくてもオレさまの家に住めばいい。」
「ぅ………。」
「ほら。首輪。寄越せ。」
「…………。」
レイが渋々オレさまに首輪を渡した。
すごく嫌らしく、
ずっとオレさまの手にある首輪を見つめている。
「…………くびわ…ぼくの…だいじな………。」
レイがぼそぼそと呟いている。
『傷が残ったら、キミの奴隷だ。』
そう言ったダンテの言葉が頭に過ぎった。
「キバナさま…。」
「それも無しだ。」
ダンテの条件を思い出しながら
レイに一つひとつ伝えていく。
『オレさま』。も、もう終わりだな。