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キバナさん 男娼を買う

第10章 露見









 「ただ、返す前に、条件がある。」

 ダンテが目をそらす。
 返してくれるなら、なんだっていい。

「なんだよ。」

「サマ付けはやめてやれ。あの首輪もな。
 ちゃんと人として扱ってやるんだ。」

「………わかった。さっさと返せ。」

 オレさまがそう言うと、
 ダンテがむ、と口を結ぶ。

「まだある。
 家に閉じ込めず少しずつ外に出してやるんだ。
 しばらくは、キミの管理下でもいい。」

「…あとは?」

 
「たまにでいいから、オレ達にも会わせてほしい。
 彼と少し話したが、キミのことを盲信している。
 それを解いてやりたいんだ。
 マクワも気にしていた。きっと同じことを言う。」

「条件飲んでやる。
 だから返せ。」


「全く。物好きだな。
 女好きのキミが、
 少年を飼っているとは思わなかった。」

「勝手だって言ってるだろ。」

 
 「そうか。
 ……じゃあ、その勝手に振り回された彼を。」

 ダンテがふらふらと手をあげると、
 後ろの扉が開いた。

 マクワと、……、レイだ。

「声、こっちまで響いてましたよ。
 彼を引き止めるのに苦労しました。」

「すまない。キバナを試したくてな。」

「試す暇があったら、最初からさっさと返せよ。」

「そうはいかない。
 キミの言葉次第では返さないつもりだったんだ。」

 ダンテは、はは、と笑い、
 マクワがこちらをじろじろ睨んでいる。

「後日、しっかり聞かせてもらいますよ。
 彼から話は粗方聞きました。」


 きっと数日後、マクワに問い詰められて
 キレられる。…分かっていたことだ。
 レイもマクワの口車に乗せられて
 ぺらぺら喋ったのだろう。
 




「き、バナさま……ッ」

 レイがオレさまのところに走ってくる。
 身体に、レイの頭が当たった。

 「レイ……。」

 レイはぎゅっとオレさまの服を
 強く握りしめて、顔を埋めている。
 手には、首輪が握られていた。

 「それ、取ったらものすごい勢いで叫んでな。
 引っかかれてしまったよ。」

 ダンテの手に絆創膏が何ヶ所か
 貼られている。
 レイが叫ぶところなんて見たことない。
 挿れるときゃんきゃん喘ぐくらいだ。

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