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キバナさん 男娼を買う

第10章 露見







 「信用できない気持ちも分かります。
 ぼくもあなたのこと、まだ信じられません。」

 「おいマクワ、」

 「ですから、キバナさんのことを知っているか
 疑問ですね。本当は、ただあの場に
 居合わせただけじゃないですか?」

 その言葉に顔を上げる。
 ちがう。僕は
 キバナさまといつも一緒にいる。
 なんでも知ってる、つもりだ。

 「ちが…い、ます。」

 「じゃあ、ぼくの質問にも答えてもらいましょうか。」

 「……………。」

 黙ってサングラスの男性を睨む。
 質問…全部、答えてやる。
 キバナさまのこと…ちゃんと知ってるって、
 言いたい。

 「簡単なものからいきましょうか。
 キバナさんの職業は?」
 
 「ジム…リーダー。」

 「手持ちのポケモンは?」

 「……。ジュラルドン、フライゴン…えっと。
 こー、こーたす、とか。」

 「では、キバナさんが好きなものは?」

 「ポケモンバトル…と、女性……。」

 「なるほど。多少は知識があるようですね。」

 男性がふむふむと頷いている。
 こんなもの、誰でも知ってる。
 …手持ちのポケモンを聞かれた時は
 ひやひやしたけれど、男性は何も言わなかった。
 なんか、数匹足りない気がするけど…
 
 「では、もう少し難しいものもいきましょうか。」

 「…………。」

 「ほかに好きなものは?」

 「…おにく…あとは、首輪…とか。」

 「そうですね。首輪が好きなようです。
 あなたも嵌めていますね。」

 「首輪は…くろが、すきです。あと、鎖も…。」

 「鎖?首輪につけるんですか。」

 「つけます…長いやつ。
 金属で、じゃらじゃらする。
 でも、うるさいから…今は、短いやつ、です。」

 「そうですか…。」

 鎖、と聞いて男性の眉間に皺がよる。
 少し、怒ってるみたいだ。
 自分の首についたリードをぎゅっと握る。
 そのリードを引っ張ってくれる主人はいない。

 「じゃあ、だいぶ痛めつけたりとか?」

 「それは…ないです。
 悪いことしても、怒るだけ…。」

 「いや…キバナは手が出るタイプだろう。
 男女問わず。」

 紫の髪の男性が首を傾げる。
 確かに、殴られることはある。でも…。


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