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キバナさん 男娼を買う

第10章 露見









「そこに座ってください。」

 キルクスタウンジムは知っていた。
 でも中まで入るのは初めてだ。
 ここは応接室らしい。
 簡易的な椅子に座らされて、
 紫の髪の男性がぼくの近くに座った。


 「じゃあ、先程の続きを聞こうか。」

 「…………。」

 もう逃げられるとは思っていない。
 目の前には男性が2人。
 腰にはモンスターボールがそれぞれ6個ずつ。

 ダンテもマクワも、大の大人だ。
 子どもの僕が到底勝てる相手ではない。
 しかもポケモンもいない。丸腰だ。

 応接室までの廊下に、
 『関係者以外立ち入り禁止』
 と書いてあった。

 もし、ここで、脱がされて、輪姦、されたら………。
 ぞわぞわと寒気が走る。

 男娼がバレたら、僕は間違いなく、
 食い殺されてしまう。

 後ろは一切慣らしていない。
 もし挿れられたら、穴が引き裂かれて、
 激痛で気を失ってしまうレベルだ。
 真っ赤に染まる床を想像して、冷や汗が滲んだ。

 そうなったら…終わりだ。
 

 「そんなに怯えなくても、
 キミに危害を加えるつもりはない。」

 「……………。」
 
 「ぼく達の名前くらいは知っているでしょう?
 あなたの同居人はともかく、
 ぼくらにはモラルくらいあります。」

 2人の言葉を信じてもいいのだろうか。
 …いやでも、でも。
 
 キバナさまが言ってたじゃないか。
 他の人間は無視しろって、
 オレさまだけを信じろって…
 
 だから、信じちゃだめだ。
 絶対に……。
 ぎぎぎ、と歯を食いしばって睨み返した。

 「……………。」

 「信じてもらえなさそうですね。」

 「キバナにどう教育されたら
 そうなるんだ…。」

 紫の髪の男性がため息をつく。
 その腕は太い。思い切り殴られたら、
 また骨が折れるかもしれない。



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