第10章 露見
呆気なく見つかった僕は
リビングに連れていかれて、
ソファーに座らされた。
目の前には、紫の髪の男性…ダンテ、と
金髪の男性…マクワ……。
こ、怖い…。
「キミ、名前は?」
男性は冷静に僕の前に座った。
…………、答え、られない。
もう1人の男性、マクワは
立ったまま黙っている。
「……………。」
「何故ここにいるんだ。
キバナとはどういう関係だ?」
「……………。」
「どこから来た?ナックルシティか?」
「………………。」
「言わないと分からない。」
男性がはぁ、とため息をつく。
男性は先程の質問を何度も繰り返し、
僕はずっと黙っている。
金髪の男性が口を開いた。
「その首輪はなんです?
キバナさんにつけられたんですか?」
「……………。」
声が出そうで、出ない。
僕は他人との会話を禁止されている。
喋れない。喋ったら、
キバナさまの命令に逆らうことになる。
「リードもです。
まるで犬ですね。…酷いものです。」
「これでもマシな方だぞ。
部屋につながれていたこともあったからな。」
「有り得ません。
性根から叩き直すべきですね。」
「それでも本人もその扱いを望んでやっているんだ。
性癖、と一言で片付けてしまえば普通なのか?」
「いや…明らかに異常ですよ。
しかも彼、どう見ても未成年です。」
「かわいそうだ。
ホップと同じ歳の子だと思うと放っておけない。
首輪は外してやろう。」
男性の手が、僕の首輪に伸びる。
やだ、いやだ、いやだ…
「――さわらないで…ッ!」
男性の手をぱちんと払う。
だめだ、これは、これだけは…。
「初めて喋ったな。
もう一度聞こう。名前は?」
「………………。」
「答えてくれ。じゃないと帰れない。」
「………レイ、です。」
「レイ…。キミ、いくつだ?」
「………、名前は教えました。
帰ってください…。」
その言葉に男性の口が歪む。
まだ帰るつもりはないらしい。
おねがいだ…。
キバナさまに喋ってしまったことが
バレたら、僕は、僕は…、