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キバナさん 男娼を買う

第9章 リード









 「戻りました。」

 「ちゃんと言っておいたやつ使ったか?」

 「はい。」

 キバナさまに鎖を引かれて、
 足元に座った。
 キバナさまが、すっと腕に触れる。

 「ふん…」

 キバナさまが鼻で笑って、
 腕から手を離した。

 「言われていたシャンプーも使いました。」

 「知ってる。」

 最近、キバナさまが
 僕の体に使うものを変え始めた。

 きっかけは赤切れが見つけたことだが、
 最初はハンドクリームから始まり、
 今やシャンプーやリンスまで延びている。

 「ま、悪くない。しばらくこれでいくか。」

 「はい。」

 キバナさまが
 頬や髪をふわふわと撫でてくれた。
 お互いシャワーを浴び終わった後だからか、暖かい。

 僕にはどのシャンプーが良くて
 どのクリームがいいのか分からないが、
 キバナさまがそれで喜んでくれるなら、使いたい。
 でも…
 
 「間違えんなよ。
 オレさまのもあるんだから。」

 「はい。」

 それに伴い、
 シャワールームは、
 キバナさまと同じところに変更され、
 抱くのもキバナさまの寝室になってしまった。

 今までは性行為の部屋にある
 固くてスプリングが効かないベッドと、
 簡素なシャワー室だったのに。

 ……。分不相応だと思う。


 「おまえは甘い方が似合うからな。
 オレさまのとは合わない。」

 「…………。」

 別に僕が使うものを
 まとめて簡素なシャワー室におけばいいのに、
 キバナさまにもう行くなと言われた。
 『あそこでは抱かねえから』だという。

 そのせい、というか、おかげで、
 僕はキバナさまの相手の中で
 1番好待遇させてもらっているわけだ。



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