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キバナさん 男娼を買う

第9章 リード






 そう言われて、
 クローゼットの扉を開ける。
 外の空気が入ってきて、ぼわ、とほこりが舞った。

 「けほ、けほ…。」

 「そこにいたのか。」

 咳をして、膝のほこりを払う。
 身体中ほこりまみれだ。
 Tシャツも、ズボンも、
 真っ白になってしまった。

 「何やってるんだよ。」

 キバナさまが
 ぱしぱしと叩いてほこりをはらっていく。
 背中もお腹も、頭もぱんぱんと払われた。
 ほこりが舞って、鼻がむずむずする。

 「くしゅん。」

 「着替えてこい。
 全然ホコリ落ちねえ。」

 「はい。」

 「だけど…まあいい。
  絶対バレると思った。」

 「はい…。僕もです。」

 はぁ、とキバナさまが安堵する。
 僕も胸を撫で下ろした。

 「ダンテ、諦めてないと思う。
 気をつけておいた方がいいな…。
 次いつ来るか分からない。」

 ぶつぶつとキバナさまが言い始め、
 寝室の鍵を開ける。
 中には、キバナさまのベッドと、
 僕のマットレスが敷いてある。
 そして、その上には、僕を繋げておく鎖。


 「こんなん見られたら
 今頃問い詰められてたな。」

 キバナさまが鎖をじゃらじゃらと鳴らす。

 「はい。」

 僕は僕で、
 服がしまってあるタンスを開けて着替える。
 靴下を見ると靴下もほこりまみれだ。
 足もほこりを払って
 タンスを開けると、見覚えのない靴下が
 入っていた。

 「それ、リーグ委員会からの試供品。
 子ども用だからおまえにやる。」

 履いてみると、横に岩のマークがついている。
 他にも、草、水、炎…10足。
 全部揃っていた。
 その中でドラゴンのマークの靴下を取る。
 キバナさまと、お揃いだ。



 「飯食ったら出かけてくる。
 留守番しとけ。」

 「……。はい。」


 僕に構ってくれていたキバナさまの目線は
 他に向けられている。
 せっかく抱いてもらえると思ったのに残念だ。
 もう今日は機会がないかもしれない。


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